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最近凄く文が書きたくなってくるのでもそもそ打ってたりするのですが、元々ネタが無いで書き始めるとだらだら長くなりすぎて収拾がつかない、そして内容が1ミリも無いものが出来上がります。なんかなあ…。
というか馬鹿みたいに文字だけ増やして終わり方が分からないまさにヤマも無いオチも無いイミも無いものになってしまうので中々終わりに出来ない、とか。難しいです。
ということで続きから山も落ちも意味も無い文。ただ描写っぽいのが書きたかっただけなので満足っちゃ満足ですが…。
というか馬鹿みたいに文字だけ増やして終わり方が分からないまさにヤマも無いオチも無いイミも無いものになってしまうので中々終わりに出来ない、とか。難しいです。
ということで続きから山も落ちも意味も無い文。ただ描写っぽいのが書きたかっただけなので満足っちゃ満足ですが…。
人生の山場というのは必ずしも大物が目の前に立ち塞ふさがるとは限らない。しかし、大物が来ないと言う訳では決して無い。従って人生の分岐点というのも同様、大きな道が数えきれない程に枝分かれした道に出会うことも、長い人生を歩いていくうちには有るかもしれない。
夜中に頭が冴える、いわゆる夜行性の傾向に偏ってきた庄司慎吾は不意にそんな言葉が頭に流れ出た。何処かで見たようなフレーズだ、自分で考えるような事では決して無いのに、何処かで見たという事自体を忘れてしまった。
人生の分岐点というのを慎吾は知らない。それは必ずしも自身に自覚がある時に訪れるものではないからだ。分岐点や山場というのは様々ある、それと同様、その人自身の考えも様々なのだ。つまりはっきりと自覚があるかなんて状況しだい、しかしそれらは自身がどう思っていても、通り過ぎてから必ず気付き始めるのである――あれがきっかけ、分岐点だったのだ、と。
午前2時――庄司慎吾は空っぽのラッキーストライクの箱を握りつぶしながら暗闇のなか車のキーを手さぐりで探した。こんな時に限って煙草が無いなんて、と心の中で毒づいたあとに慎吾は舌打ちをした。
――むしゃくしゃしたらまず峠、これが彼の信条である。
今日一日電気代を全く使わなかったこの部屋は、結局電気をつけられぬままに主人に部屋を出ていかれてしまった。
財布と相談をしたのにも関わらず一人でに頭に血が上っていた慎吾は、心に聞こえた財布の抗議の声をも無視しカートン購入をしてしまった。財布の抗議というのも自分の心の叫びなのも彼は良く知っていたが、考えるより本能で動く彼はそんなのは関係無いとばかりにビニール袋に入ったカートンを取り出しコンビニから出るや否や早速紙を破き始めた。外の掃除をしていたコンビニのバイト君がビニール袋をポイ捨てする慎吾に避難の目を向けたが、もとより慎吾には関係の無いことだ。慎吾自身の心の抗議をいとも簡単に無視する彼には他人の避難の目など屁でも無かった。
地元の妙義山は彼の所属するナイトキッズのホームコースだ。自分勝手な不良ばかり集まったチームではあるが、それも慎吾には心地が良い。煙草を燻らせながら適当にかつ見せびらかすように妙義山を登っていく慎吾の目には何も写っていない。ぼんやりと目の前を見ながら愛車を転がしていく、それだけでも最高の気分なのに他に何を見ようとするか、感覚だけでは無く視覚をも満足させようとするなんて、それは贅沢モンだ、と慎吾は考える。
そうこうしているうちに視界にぼんやりとした自販機の光を見つけると慎吾は道を外れそこへと愛車を止めた。峠でナイトキッズの者たちがたむろする、いわゆる休憩所のようなものだ。
車を転がしたあとにエンジンを切り、その静寂の中、車の中でゆっくりする、これが慎吾のお気に入りであった。夜だから視界に余計なものは写らないし、余計なものも聞こえない。夜中の暗闇と静寂に包まれながら、さらに愛車に閉じこもり何をしなければいけないと言う概念も無くなる、究極のはねやすめ。
しかしそんな静寂もフロントガラスをノックする音で一瞬にしてかき消された。ボキッ、と首を鳴らしながら仕方なく横を見ると嫌でも頭に残る顔――チームリーダー、中里毅だった。何か言っているようだったが聞こえないというように耳元に手を空ける慎吾を見ると、眉を寄せながら大きすぎない程度に声を大きくして中里が続けた。
――窓を開けろ、そう言っている。本当はノックしていた時から聞こえていたが、慎吾は敢えて聞こえぬふりをしていた。
「何でテメェの為に」
ボタンを押せば下へとスライドしながら引っ込みを始めるガラスの奥で、慎吾は吐き捨てるように言った。しかし中里はバツの悪そうに顔を一瞬後退させながら続けた。
「俺の為じゃねぇ…一酸化炭素中毒になるぞ」今度は慎吾がバツの悪そうな顔をした。煙草を吸いながらも換気をしていなかったのだ。
「…ああ、そう。御忠告 御苦労サマでした」
嫌味を載せながら慎吾はそう言いって相手に向かい口をつけていた煙草を投げ捨てた。あぶね、とそれを避ける中里が慎吾に何か言おうとしていたが、すぐにまた窓を締め始める慎吾に、中里は勝手にしろというふうに言葉を飲み込み顔をあげてしまった。しかし慎吾は中里と喋ることに嫌気がさした訳では無かった。彼らとの隔たりを完全に閉め切ると、慎吾は愛車から外へと出てきたのだ。
変わったな、と庄司慎吾は思った。何が変わったと、チーム内同士で争っていた中里と慎吾の仲の他何も無い。前まではまさに犬猿の仲という言葉が恐ろしくぴったりだった言葉も、今ではそうでも無いかもしれない――そこで慎吾は馬鹿馬鹿しい、と考えることを止めてしまった。
慎吾がEG6から出てきた時に中里は正直驚いていた。慎吾に忠告をしたあとにお礼として火のついた煙草の吸殻を投げつけられてから、シビックから背を向け始めた中里は彼の後ろで、バタン、と音がするのを聞いて目を丸めた。背中越しに振り返ると思った通り慎吾は愛車から身を退けていたのだ。思わず缶コーヒーを握る手に力を込めながら相手を見ていると、見世物気分になった彼は一言。
「てめえだけ何で珈琲なんか貪ってんだ」
何見てんだ、とかじろじろ見てんじゃねえ、とか、そういう反応を予想していた中里はまたも眉を寄せた。
「飲みたかったからに決まってんだろ」そういって彼は見せびらかすように珈琲を一口。
「自販機は目の前だ」
「つーか、何でこんな時間に居ンだ、暇人」
「…お前はどうなんだ」
「んなん勝手だろ、小銭持ってるか」どうやら、中里の質問は華麗にスルーされてしまったようだ。
「……」
眉を寄せながら何も言うことが無くなった中里に、慎吾はこれみよがしに、はあ、と溜息をつくとポケットから先程開封したばかりであろうブルズアイの印刷された箱から一本煙草を取り出した。会話が途切れれば彼は目の前の中里など居ないかのように愛車に寄りかかり煙草に火をつけふかしはじめる。溜息をつきたいのは中里の方だったのだが、もうそれもどうでも良いかの様に持っていた缶コーヒーを一気に喉に流しこんだ。カフェインの匂いが喉の奥から漂ってくるのを感じながら中里は思った――変わったな。
前までは例え慎吾が一酸化炭素中毒になろうが声をかける事など無かっただろう。いつからか、何となくチーム全体がまとまり始めたのを中里は感じていた。それは誰が見ても明らかだったし、むしろ感じない者など居ない程なのだが。
元々チームの皆が皆仲が悪かったわけでは無かったが、その理由として先ず挙げられるものはチーム同士の中里と慎吾の仲の悪さから来ている。例え天地がひっくり返っても同じチームの人間だとさえ認めたくないような、そんな関係だった彼らのおかげでチームは中里派と慎吾派に分かれ何となく空気が割れてしまっていたのだ。しかし、いつしか来た豆腐屋の看板背負ったハチロク小僧――しかも、何処から湧いたのかも分からない若造だ――はその天地をひっくり返してしまったのである。何とも不思議で認めたくない出来事ではあるが、実際それがどうしようも無い事実であるし、中里としては慎吾が丸くなればチームもまとめやすいので正直悪いことだとは思っていない――バトルで負けたことを除いては、の話ではあるが。
「おい慎吾」
「…あんだよ」
気だるそうに声を出した本人を見る慎吾に、中里は通りかかり缶コーヒーを渡した。反射的に受け取ってしまった慎吾に中里は一言。
「飲みたいんだろう」
凶悪的な顔をしながら一瞬唖然とした慎吾は言いたいことがかなり沢山ありすぎて暫くどれを先に口にしようとしていたかのように口をぱくぱくしていたが、慎吾を通り過ぎて愛車のBNR32に乗り込もうとしていた中里の背中にようやっと届いた声は、中里の思う通りであった。
「空じゃねェかよ!!」
続いて台詞を取り消すように、テメエの飲み差しなんか元から飲みたくなんか無ェけどな!!と二言。背後から缶を叩きつける音が聞こえたあとにはただ空しくカラカラと缶の転がる音のみが響いた。
人生の分岐点というのを慎吾は知らない。しかしそれらは自身がどう思っていても、通り過ぎてから必ず気付き始めるのである――あれがきっかけ、分岐点だったのだ、と。
「…ッたく」煙を吐き出す慎吾は大きな舌打ちをした。
夜中に頭が冴える、いわゆる夜行性の傾向に偏ってきた庄司慎吾は不意にそんな言葉が頭に流れ出た。何処かで見たようなフレーズだ、自分で考えるような事では決して無いのに、何処かで見たという事自体を忘れてしまった。
人生の分岐点というのを慎吾は知らない。それは必ずしも自身に自覚がある時に訪れるものではないからだ。分岐点や山場というのは様々ある、それと同様、その人自身の考えも様々なのだ。つまりはっきりと自覚があるかなんて状況しだい、しかしそれらは自身がどう思っていても、通り過ぎてから必ず気付き始めるのである――あれがきっかけ、分岐点だったのだ、と。
午前2時――庄司慎吾は空っぽのラッキーストライクの箱を握りつぶしながら暗闇のなか車のキーを手さぐりで探した。こんな時に限って煙草が無いなんて、と心の中で毒づいたあとに慎吾は舌打ちをした。
――むしゃくしゃしたらまず峠、これが彼の信条である。
今日一日電気代を全く使わなかったこの部屋は、結局電気をつけられぬままに主人に部屋を出ていかれてしまった。
財布と相談をしたのにも関わらず一人でに頭に血が上っていた慎吾は、心に聞こえた財布の抗議の声をも無視しカートン購入をしてしまった。財布の抗議というのも自分の心の叫びなのも彼は良く知っていたが、考えるより本能で動く彼はそんなのは関係無いとばかりにビニール袋に入ったカートンを取り出しコンビニから出るや否や早速紙を破き始めた。外の掃除をしていたコンビニのバイト君がビニール袋をポイ捨てする慎吾に避難の目を向けたが、もとより慎吾には関係の無いことだ。慎吾自身の心の抗議をいとも簡単に無視する彼には他人の避難の目など屁でも無かった。
地元の妙義山は彼の所属するナイトキッズのホームコースだ。自分勝手な不良ばかり集まったチームではあるが、それも慎吾には心地が良い。煙草を燻らせながら適当にかつ見せびらかすように妙義山を登っていく慎吾の目には何も写っていない。ぼんやりと目の前を見ながら愛車を転がしていく、それだけでも最高の気分なのに他に何を見ようとするか、感覚だけでは無く視覚をも満足させようとするなんて、それは贅沢モンだ、と慎吾は考える。
そうこうしているうちに視界にぼんやりとした自販機の光を見つけると慎吾は道を外れそこへと愛車を止めた。峠でナイトキッズの者たちがたむろする、いわゆる休憩所のようなものだ。
車を転がしたあとにエンジンを切り、その静寂の中、車の中でゆっくりする、これが慎吾のお気に入りであった。夜だから視界に余計なものは写らないし、余計なものも聞こえない。夜中の暗闇と静寂に包まれながら、さらに愛車に閉じこもり何をしなければいけないと言う概念も無くなる、究極のはねやすめ。
しかしそんな静寂もフロントガラスをノックする音で一瞬にしてかき消された。ボキッ、と首を鳴らしながら仕方なく横を見ると嫌でも頭に残る顔――チームリーダー、中里毅だった。何か言っているようだったが聞こえないというように耳元に手を空ける慎吾を見ると、眉を寄せながら大きすぎない程度に声を大きくして中里が続けた。
――窓を開けろ、そう言っている。本当はノックしていた時から聞こえていたが、慎吾は敢えて聞こえぬふりをしていた。
「何でテメェの為に」
ボタンを押せば下へとスライドしながら引っ込みを始めるガラスの奥で、慎吾は吐き捨てるように言った。しかし中里はバツの悪そうに顔を一瞬後退させながら続けた。
「俺の為じゃねぇ…一酸化炭素中毒になるぞ」今度は慎吾がバツの悪そうな顔をした。煙草を吸いながらも換気をしていなかったのだ。
「…ああ、そう。御忠告 御苦労サマでした」
嫌味を載せながら慎吾はそう言いって相手に向かい口をつけていた煙草を投げ捨てた。あぶね、とそれを避ける中里が慎吾に何か言おうとしていたが、すぐにまた窓を締め始める慎吾に、中里は勝手にしろというふうに言葉を飲み込み顔をあげてしまった。しかし慎吾は中里と喋ることに嫌気がさした訳では無かった。彼らとの隔たりを完全に閉め切ると、慎吾は愛車から外へと出てきたのだ。
変わったな、と庄司慎吾は思った。何が変わったと、チーム内同士で争っていた中里と慎吾の仲の他何も無い。前まではまさに犬猿の仲という言葉が恐ろしくぴったりだった言葉も、今ではそうでも無いかもしれない――そこで慎吾は馬鹿馬鹿しい、と考えることを止めてしまった。
慎吾がEG6から出てきた時に中里は正直驚いていた。慎吾に忠告をしたあとにお礼として火のついた煙草の吸殻を投げつけられてから、シビックから背を向け始めた中里は彼の後ろで、バタン、と音がするのを聞いて目を丸めた。背中越しに振り返ると思った通り慎吾は愛車から身を退けていたのだ。思わず缶コーヒーを握る手に力を込めながら相手を見ていると、見世物気分になった彼は一言。
「てめえだけ何で珈琲なんか貪ってんだ」
何見てんだ、とかじろじろ見てんじゃねえ、とか、そういう反応を予想していた中里はまたも眉を寄せた。
「飲みたかったからに決まってんだろ」そういって彼は見せびらかすように珈琲を一口。
「自販機は目の前だ」
「つーか、何でこんな時間に居ンだ、暇人」
「…お前はどうなんだ」
「んなん勝手だろ、小銭持ってるか」どうやら、中里の質問は華麗にスルーされてしまったようだ。
「……」
眉を寄せながら何も言うことが無くなった中里に、慎吾はこれみよがしに、はあ、と溜息をつくとポケットから先程開封したばかりであろうブルズアイの印刷された箱から一本煙草を取り出した。会話が途切れれば彼は目の前の中里など居ないかのように愛車に寄りかかり煙草に火をつけふかしはじめる。溜息をつきたいのは中里の方だったのだが、もうそれもどうでも良いかの様に持っていた缶コーヒーを一気に喉に流しこんだ。カフェインの匂いが喉の奥から漂ってくるのを感じながら中里は思った――変わったな。
前までは例え慎吾が一酸化炭素中毒になろうが声をかける事など無かっただろう。いつからか、何となくチーム全体がまとまり始めたのを中里は感じていた。それは誰が見ても明らかだったし、むしろ感じない者など居ない程なのだが。
元々チームの皆が皆仲が悪かったわけでは無かったが、その理由として先ず挙げられるものはチーム同士の中里と慎吾の仲の悪さから来ている。例え天地がひっくり返っても同じチームの人間だとさえ認めたくないような、そんな関係だった彼らのおかげでチームは中里派と慎吾派に分かれ何となく空気が割れてしまっていたのだ。しかし、いつしか来た豆腐屋の看板背負ったハチロク小僧――しかも、何処から湧いたのかも分からない若造だ――はその天地をひっくり返してしまったのである。何とも不思議で認めたくない出来事ではあるが、実際それがどうしようも無い事実であるし、中里としては慎吾が丸くなればチームもまとめやすいので正直悪いことだとは思っていない――バトルで負けたことを除いては、の話ではあるが。
「おい慎吾」
「…あんだよ」
気だるそうに声を出した本人を見る慎吾に、中里は通りかかり缶コーヒーを渡した。反射的に受け取ってしまった慎吾に中里は一言。
「飲みたいんだろう」
凶悪的な顔をしながら一瞬唖然とした慎吾は言いたいことがかなり沢山ありすぎて暫くどれを先に口にしようとしていたかのように口をぱくぱくしていたが、慎吾を通り過ぎて愛車のBNR32に乗り込もうとしていた中里の背中にようやっと届いた声は、中里の思う通りであった。
「空じゃねェかよ!!」
続いて台詞を取り消すように、テメエの飲み差しなんか元から飲みたくなんか無ェけどな!!と二言。背後から缶を叩きつける音が聞こえたあとにはただ空しくカラカラと缶の転がる音のみが響いた。
人生の分岐点というのを慎吾は知らない。しかしそれらは自身がどう思っていても、通り過ぎてから必ず気付き始めるのである――あれがきっかけ、分岐点だったのだ、と。
「…ッたく」煙を吐き出す慎吾は大きな舌打ちをした。
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