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続きからドウゾ。
書きたいことがあったので普通の日記は明日書きます…眠い。
ていうか、今回の文セリフが3文字しか無いって、それで、前と同じくらいの量って。嗚呼、こんなんじゃつまらないだろうなあ…。
書きたいことがあったので普通の日記は明日書きます…眠い。
ていうか、今回の文セリフが3文字しか無いって、それで、前と同じくらいの量って。嗚呼、こんなんじゃつまらないだろうなあ…。
適当なチームに入って、適当にナンバーワンを取ってやる。下らないチームに力を入れる事も無いと思っていたが自分の走りには手を抜かなかった。
当初から成長のスピードが速かった慎吾はその走りを見せつけるかの様にド派手に妙義へ愛車を転がしに行ったものだ。チームに入った頃は前を走る車に様々な煽りやバッシングをかけたもので、その性格故に慎吾に寄ろうとする者が誰一人としてそれ自体を思い浮かべないまでになるのもそう時間はかからなかった。高飛車の自分勝手で何を考えているのやら、誰にも媚を売る事の無いある意味さっぱりとした性格を持ち合わせる慎吾は、まだチームの中で誰もつるむというような仲の者は居ない。妙義へ来ればその走りを一つの恥も感じさせずに相手の目へと焼きつかせ、休む時は一人で愛車に寄りそい煙草をふかす。それが、慎吾の習慣になっていた。
周りに人が居るに越した事は無いが、そもそも自分から仲間を集める様な事はしたくなかった。これが慎吾の考えである。つまり其処に有るは自分のプライドのみ、慎吾自身その考えに至るのも痒い。
――自分はチームの腫れ物だ。
捻くれた彼が出した結論は実に捻くれたものであったが、その考えもあながちというより十中八九当たっているとしか言い様が無かった。慎吾自身がそのような状況へと追いやったのは充分理解していたが、それでいてどう改善させようと思う事も無かった。腫れ物でも充分だ、何もしなければただ悪化するのみじゃあ無いか。自然に引いてなんかやるものか。彼の、性格である。
その日の慎吾は一段と機嫌が悪かった。キレる思いをストレートに足へとぶつけながらシフトアップをし、直線をただライトで照らしその更に後を慎吾は睨みつけていた。長い前髪が視界を隠すのにも構わず、まるで逆にその一本一本の髪を凶悪な視線で退かそうとしているかの様である。左の頬が赤くなりそこから電波を発するかの如くひりひりと痛みを感じるのにも、慎吾は何を思おうただただ苛々していた。心底から燃えあがる様な怒りにステアリングがもげるのでは無いかと言う程に拳に力が入る、彼はひたすら抑えきれない怒りを体内でぐちゃぐちゃに掻き混ぜながら、発散出来る事の無いその内容物にまた怒りを募らせ、また掻き混ぜ、それを繰り返すのみであった。
数分前の妙義山。自分が考え自分から起こした行動にとやかくと口を出されるのが大の苦手とする慎吾は先程モロにそれを冒してくれた者が居たのだ。
中里毅、ナイトキッズのチームリーダーである。慎吾は彼が大嫌いだった。ナンバーワンだ、ナンバーワンだと周りから絆され、当の本人は無駄にクールぶってチームに接する、まるでそのことが当たり前とでも言うかの様に。庄司慎吾は、中里毅が大嫌いだった。
初めて人に会ったらまずは嫌う、当人に自覚が無くても慎吾はそれをまず行動に移したのみであった。頂点に立ちちやほやされている者の噂を聞いたりそれが当たり前の様な事柄になっていると、同じ世界に居る自分がすたれて見える様で、あるいは下して見られている様でその者のイメージがガラリと変わる。どんなに人が良くても会って話して感じないとそのイメージは変わらない。つまり慎吾は自分より優れたものを持つ者を嫌うという典型的なパターンであった。しかし大体の者はそれでいても相手の人が良かったり好意的な印象を持つと、なんだこいつは良い奴じゃないかと認識するものだ。全てはフィーリングでその人の価値が決まる。しかし慎吾の場合は特に極端であり表に出す事によって、相手を嫌い、それを行動や態度に表わし、反省もしない、よって相手も自分を嫌っていく、悪循環が重なり御蔭様で慎吾は未だその様な人物を好いた事は一度も無い。社会に出る前の、気楽な御身分だ。
「…クソがッ!」
あまりにも募っていく怒りに慎吾は一人声を出すことでそれを発散出来ないものかと声を荒げた。走行中の車内は誰にも聞かれる事も無ければ誰にも聞かせる事も出来ない。いつの間にか緩んでいたアクセルにまた顔を歪めながらシフトダウンをし、再度怒りをぶつけるかの様にアクセルを踏みつけると慎吾は再度怒号を上げた。
怒りを胸の内に溜め込みながらシビックをコンビニの前へと停めると停めた横に慎吾の怒りを更に膨れ上がらせるものがあった。スカイライン、NBR33。共通点は同じGTRだけだと言うのに、中里の顔がパッと浮かびあがってしまう今の慎吾にとって、共通点はスカイラインというだけでも充分怒りの矛先を向けられたのであった。慎吾はまるで穴でも空けるかの様に眉を中心に集めながら、怒りの険相でそれを睨みつけシビックから足を出した。自動ドアが自分の存在で開かれるまでそれを止めなかった慎吾は、そんな自分にまた苛々としながらコンビニへと立ち寄った。
ポケットの中で握る煙草がもう潰れても問題の無い状態になってしまったのだ。いつもならカートン購入するラキストも、今は店員が箱を持ってくる時間のうちにレジを蹴りあげてしまいそうになる程に怒りが燃えていたので、レジの横の煙草を適当に一握り取り、カウンターの上に置き、丁度ぴったりの額を払うとレシートも袋も店員の声も受け取らずにさっさと煙草を持って外へと出て行ってしまった。
自動ドアが開くとじめっとした空気が慎吾の肌を撫でた。蒸し暑い訳でも無い気温に水気を含んだ緩い風があたると慎吾の肌が一瞬にして汗ばんでいくのが分かる。ポケットに握ったままの潰れたラキストの箱を出し何とはなしにそれを一瞥するとラッキーストライクの象徴、ブルズアイが自分を嘲笑っているかの様に歪んでいた。何が、ラッキーストライクだ、何処にもラッキーの要素が無いでは無いか。片手に持つ用済みのラキストの箱を投げ捨て、目の前のコンビニのごみ箱を蹴りあげてやった。外掃除をしていた店員が慎吾を見るが、慎吾はこれ見よがしに目の前で唾を吐いてやった。
嫌な顔を向けられる前に愛車へと乗り込もうとする慎吾は、隣に駐車されていたR33が居なくなっていたのを確認すると同時に、彼の怒りは一瞬にして治まっていったのであった。治まる、というよりも幾分冷静になったというべきか。中里に対しての怒りは治まるどころか膨れる一方であったが、今はもう怒る事に疲れてしまったかの様に肩をボキッと一回鳴らした。
怒りの矛先は、中里のみでは無い。チーム全体だ。すかした顔でチームに居座りリーダーを名乗る中里も勿論気に食わない、しかしそれ以上にその存在をまるで自分が脇役を名乗り更に大きく見せようとするチームの奴らが気に食わない。しかし矢張り、それ以上に中里は気に食わなかった。
明日妙義に赴いたら先ずは何を言われるだろうか、どんな反応をされるだろうか、どんな目を向けられるだろうか。それだけなら別段何も気にする事も無かったが、とやかくと言われ面倒になるのは御免だ。暫く峠へ行くのをやめようかとも思ったが、それはそれで自分が逃げている臆病者の様でしたくは無い。元々絡める者が居なかった慎吾を更に最悪の状況に陥れたのは、間違いなく自分なのだ。
やっと冷静になってきた慎吾の内で、更にふつふつと怒りが蘇ってきた。どうやら、怒るという事に疲れなどは無いらしい。持っていた買ってきたばかりのラキストの箱をばらばらと助手席に落としながらキーを回す慎吾の指先は白くなっていた。
当初から成長のスピードが速かった慎吾はその走りを見せつけるかの様にド派手に妙義へ愛車を転がしに行ったものだ。チームに入った頃は前を走る車に様々な煽りやバッシングをかけたもので、その性格故に慎吾に寄ろうとする者が誰一人としてそれ自体を思い浮かべないまでになるのもそう時間はかからなかった。高飛車の自分勝手で何を考えているのやら、誰にも媚を売る事の無いある意味さっぱりとした性格を持ち合わせる慎吾は、まだチームの中で誰もつるむというような仲の者は居ない。妙義へ来ればその走りを一つの恥も感じさせずに相手の目へと焼きつかせ、休む時は一人で愛車に寄りそい煙草をふかす。それが、慎吾の習慣になっていた。
周りに人が居るに越した事は無いが、そもそも自分から仲間を集める様な事はしたくなかった。これが慎吾の考えである。つまり其処に有るは自分のプライドのみ、慎吾自身その考えに至るのも痒い。
――自分はチームの腫れ物だ。
捻くれた彼が出した結論は実に捻くれたものであったが、その考えもあながちというより十中八九当たっているとしか言い様が無かった。慎吾自身がそのような状況へと追いやったのは充分理解していたが、それでいてどう改善させようと思う事も無かった。腫れ物でも充分だ、何もしなければただ悪化するのみじゃあ無いか。自然に引いてなんかやるものか。彼の、性格である。
その日の慎吾は一段と機嫌が悪かった。キレる思いをストレートに足へとぶつけながらシフトアップをし、直線をただライトで照らしその更に後を慎吾は睨みつけていた。長い前髪が視界を隠すのにも構わず、まるで逆にその一本一本の髪を凶悪な視線で退かそうとしているかの様である。左の頬が赤くなりそこから電波を発するかの如くひりひりと痛みを感じるのにも、慎吾は何を思おうただただ苛々していた。心底から燃えあがる様な怒りにステアリングがもげるのでは無いかと言う程に拳に力が入る、彼はひたすら抑えきれない怒りを体内でぐちゃぐちゃに掻き混ぜながら、発散出来る事の無いその内容物にまた怒りを募らせ、また掻き混ぜ、それを繰り返すのみであった。
数分前の妙義山。自分が考え自分から起こした行動にとやかくと口を出されるのが大の苦手とする慎吾は先程モロにそれを冒してくれた者が居たのだ。
中里毅、ナイトキッズのチームリーダーである。慎吾は彼が大嫌いだった。ナンバーワンだ、ナンバーワンだと周りから絆され、当の本人は無駄にクールぶってチームに接する、まるでそのことが当たり前とでも言うかの様に。庄司慎吾は、中里毅が大嫌いだった。
初めて人に会ったらまずは嫌う、当人に自覚が無くても慎吾はそれをまず行動に移したのみであった。頂点に立ちちやほやされている者の噂を聞いたりそれが当たり前の様な事柄になっていると、同じ世界に居る自分がすたれて見える様で、あるいは下して見られている様でその者のイメージがガラリと変わる。どんなに人が良くても会って話して感じないとそのイメージは変わらない。つまり慎吾は自分より優れたものを持つ者を嫌うという典型的なパターンであった。しかし大体の者はそれでいても相手の人が良かったり好意的な印象を持つと、なんだこいつは良い奴じゃないかと認識するものだ。全てはフィーリングでその人の価値が決まる。しかし慎吾の場合は特に極端であり表に出す事によって、相手を嫌い、それを行動や態度に表わし、反省もしない、よって相手も自分を嫌っていく、悪循環が重なり御蔭様で慎吾は未だその様な人物を好いた事は一度も無い。社会に出る前の、気楽な御身分だ。
「…クソがッ!」
あまりにも募っていく怒りに慎吾は一人声を出すことでそれを発散出来ないものかと声を荒げた。走行中の車内は誰にも聞かれる事も無ければ誰にも聞かせる事も出来ない。いつの間にか緩んでいたアクセルにまた顔を歪めながらシフトダウンをし、再度怒りをぶつけるかの様にアクセルを踏みつけると慎吾は再度怒号を上げた。
怒りを胸の内に溜め込みながらシビックをコンビニの前へと停めると停めた横に慎吾の怒りを更に膨れ上がらせるものがあった。スカイライン、NBR33。共通点は同じGTRだけだと言うのに、中里の顔がパッと浮かびあがってしまう今の慎吾にとって、共通点はスカイラインというだけでも充分怒りの矛先を向けられたのであった。慎吾はまるで穴でも空けるかの様に眉を中心に集めながら、怒りの険相でそれを睨みつけシビックから足を出した。自動ドアが自分の存在で開かれるまでそれを止めなかった慎吾は、そんな自分にまた苛々としながらコンビニへと立ち寄った。
ポケットの中で握る煙草がもう潰れても問題の無い状態になってしまったのだ。いつもならカートン購入するラキストも、今は店員が箱を持ってくる時間のうちにレジを蹴りあげてしまいそうになる程に怒りが燃えていたので、レジの横の煙草を適当に一握り取り、カウンターの上に置き、丁度ぴったりの額を払うとレシートも袋も店員の声も受け取らずにさっさと煙草を持って外へと出て行ってしまった。
自動ドアが開くとじめっとした空気が慎吾の肌を撫でた。蒸し暑い訳でも無い気温に水気を含んだ緩い風があたると慎吾の肌が一瞬にして汗ばんでいくのが分かる。ポケットに握ったままの潰れたラキストの箱を出し何とはなしにそれを一瞥するとラッキーストライクの象徴、ブルズアイが自分を嘲笑っているかの様に歪んでいた。何が、ラッキーストライクだ、何処にもラッキーの要素が無いでは無いか。片手に持つ用済みのラキストの箱を投げ捨て、目の前のコンビニのごみ箱を蹴りあげてやった。外掃除をしていた店員が慎吾を見るが、慎吾はこれ見よがしに目の前で唾を吐いてやった。
嫌な顔を向けられる前に愛車へと乗り込もうとする慎吾は、隣に駐車されていたR33が居なくなっていたのを確認すると同時に、彼の怒りは一瞬にして治まっていったのであった。治まる、というよりも幾分冷静になったというべきか。中里に対しての怒りは治まるどころか膨れる一方であったが、今はもう怒る事に疲れてしまったかの様に肩をボキッと一回鳴らした。
怒りの矛先は、中里のみでは無い。チーム全体だ。すかした顔でチームに居座りリーダーを名乗る中里も勿論気に食わない、しかしそれ以上にその存在をまるで自分が脇役を名乗り更に大きく見せようとするチームの奴らが気に食わない。しかし矢張り、それ以上に中里は気に食わなかった。
明日妙義に赴いたら先ずは何を言われるだろうか、どんな反応をされるだろうか、どんな目を向けられるだろうか。それだけなら別段何も気にする事も無かったが、とやかくと言われ面倒になるのは御免だ。暫く峠へ行くのをやめようかとも思ったが、それはそれで自分が逃げている臆病者の様でしたくは無い。元々絡める者が居なかった慎吾を更に最悪の状況に陥れたのは、間違いなく自分なのだ。
やっと冷静になってきた慎吾の内で、更にふつふつと怒りが蘇ってきた。どうやら、怒るという事に疲れなどは無いらしい。持っていた買ってきたばかりのラキストの箱をばらばらと助手席に落としながらキーを回す慎吾の指先は白くなっていた。
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